チェコ出身で、7月の名古屋場所で引退した元幕内隆の山(31=田子ノ浦)の断髪式が7日、都内で行われた。

 同期の横綱鶴竜(29=井筒)や部屋の大関稀勢の里(28)ら約90人がはさみを入れ、最後に師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が止めばさみ。断髪式の途中から目をうるませて「途中からはこらえるので精いっぱいだった。でも、ギリギリだったけど、泣かないと決めていたので」と耐えて、大銀杏(おおいちょう)と別れを告げた。

 体重100キロに満たない筋肉質の体で土俵を沸かせた男は、10月中にも母国に戻る。断髪後は「相撲界に入る前の髪形。ゼロからですよ」と丸刈り姿で登場し、その男前の姿に鶴竜らから笑みがこぼれた。

 稀勢の里は「(ハリウッド俳優の)ジェイソン・ステイサムだね。似合ってる」とおだてて「自分の相撲以上に緊張して、ドキドキして見ていた。あの相撲が見られなくなるのは寂しいですね」と言い、若の里(38)も「愛情を込めて『引退する順番を守れ!』と言いたいですね」と惜しんでいた。