大相撲の幕内力士、富士東(26=玉ノ井)が、俳優デビューすることが25日、分かった。映画「テルマエ・ロマエ2」で力士役として出演。主演の阿部寛や上戸彩と共演する。すでに長野・諏訪市に1泊2日で出向き、撮影は終了。富士東は「出演オファーは協会を通じてもらいました。普段はできないことですから、やれて光栄です。ずっと緊張しっぱなしでした」と話した。

 同作品は古代ローマ時代の浴場から、現代日本の風呂へのタイムスリップなどを描いたコメディー。昨年4月に公開され、約469万人の観客を動員した作品の第2弾。あんこ形の体形に加え、分かりやすい力士顔だったことが起用につながった。

 映画の中で、阿部寛が扮(ふん)する浴場設計技師ルシウスから、富士東は容姿を「顔は太っている」、大銀杏(おおいちょう)を「頭に黒いズッキーニ」、「平たい顔族のグラディエーター(剣闘士)なのか」などと形容される。ルシウスを銭湯から数人の力士らとまわし姿で担ぎ上げて運び出す場面もある。

 「セリフなどは見てのお楽しみです」と富士東。昨年のNHK大河ドラマ「平清盛」に幕内豊真将らが出演したが、現役力士の映画出演は異例。来年4月26日(よい風呂の日)から公開される。