<バレーボール:全国高校選抜優勝大会:東九州龍谷(大分)3-1古川学園(宮城)>◇最終日◇26日◇東京・代々木体育館◇女子決勝

 古川学園は東九州龍谷との3年連続の決勝対決に敗れ、11年ぶり5度目の優勝を逃した。高さとパワーを武器にして挑んだが、高速バレーに対応できずに力尽きた。またしても満開直前で散ったチームは再度、高校日本一挑戦を誓った。

 今大会参加、全国女子3961校の頂上決戦。3年連続の決勝対決で東九州龍谷に敗れた古川学園の選手たちは、大粒の涙でセンターコートを後にした。岡崎典生監督(41)は「プレッシャーもあったと思うが、まだまだ練習が足りなかった」と振り返った。

 完成途上の「高さとパワーのバレー」が「高速バレー」に屈した。第1セット立ち上がりは、相手サーブミスを挟んで9連続失点。一気に走られ、選手たちに動揺が生まれた。サーブレシーブを崩され、1年生セッター内村聖香のトスも乱れた。岡崎監督は「自分たちの攻撃につなぎ切れなかった。大舞台で通用する1年生セッターを作れなかったのは自分の責任」と選手たちをかばった。

 速攻に対して、正攻法のオープン攻撃で対抗。高さを生かしたブロックも決まらず、逆にチーム得点源のレフト佐々木美麗主将、ライト大野果歩、センター果奈の双子姉妹(いずれも2年)の3人が、相手ブロックに苦しめられた。佐々木主将は「自分たちのバレーができなかった。対応力と人間力を身につけたい」と精神的課題を掲げた。

 東九州龍谷に史上初の女子3連覇を許した。だが、3年連続準優勝も女子では初めてだ。もう銀メダルはいらない。高さとパワーのバレーに路線変更はない。岡崎監督は「まだ未完成なので伸び代はある。(勝てる)確信はある。負けを生かして大きく成長してほしい」と次なる全国舞台を見据えた。【佐々木雄高】