金本知憲新監督率いる阪神のスローガンは「超変革」。阪神は良い方に変わってほしいと切に願うのですが、このトシになれば、変わるばかりがいいことではない、という思いもあります。

 大きな声では言えませんが、今年も神戸で自主トレを行ったイチロー(マーリンズ)と一瞬だけ接触しました。

 そのとき「球界もいいこと、悪いこと、いろいろと変わっていくけどイチロー選手だけはいつまでも変わらずにやっておくれ」と、エラそうにお願いしてしまった。

 イチローが試合でヒットを打つというのはオリックスでのデビューから知る私にとっては朝起きて、日課の青汁、オレンジジュースを飲むぐらい自然なこと。

 もちろん年月が経過すれば、それも当たり前ではなくなる。避けられない自然の摂理でしょうが、それでもイチローには、いつまでも当たり前のようにシーズンを迎え、当然のごとくヒットを打ち続けてほしい。そんな思いがあります。

 私のエラそうなセリフに、イチローは「ハイ!」とさわやかに応じてくれたことだけを、ここに書き留めておきます。

 さて今年、イチローのマーリンズで面白いのはバリー・ボンズ打撃コーチがいることですね。特にメジャー通でなくても40代以上の方ならボンズの名前は知っているでしょう。それほどの選手。そんなイチロー、ボンズのツーショットはもう紙面などを賑わせていますが、2人にまつわる昔話を少しだけ書きたいと思います。

 記憶が正しければ00年の日米野球前だったと思います。すでにポスティングシステム(入札制度)によって、イチローがシアトル・マリナーズに移籍することがウワサされていました。

 過去にも日米野球で来日していたボンズは、すでにイチローの存在は知っていました。そのボンズがベンチの前でこんな話を、我々、イチローを知る記者にしてきたのです。

 「イチローってヤツは、メジャーの球団と話すだけで1300万ドル以上、もらうのか?」

 移籍金が発生するポスティングシステムについて、ボンズが理解していなかったための勘違い。いや、いくらメジャーでもそんなはずないだろうとカタコトの英語で否定するのに苦労したものです。

 そんなことを思い出しながら、90年代後半から日米球界のスターであり続ける2人が顔をそろえるマーリンズの今季を例年以上に注目しています。