大金星を、つかみ取った。秋は12年ぶりの全道大会出場を狙う立命館慶祥が今夏、全国選手権(甲子園)に出場した北海を撃破した。投げてはエース影山瑠星(りゅうせい、2年)が、わずか95球で4安打シャットアウト。打っては、2安打3打点と勝負強さを発揮した4番・塩内雄大一塁手(2年)を筆頭に鮮やかな集中打を見せ、今年、道内の公式戦で無敗を誇った古豪に快勝した。
9回2死走者なし。マウンドを守ってきた立命館慶祥のエース影山は、鋭い金属音を残し飛んできたライナーを、右手を伸ばしたグラブでとっさにつかんだ。「出したら、入っていたんです」。甲子園帰りの北海相手に、堂々の公式戦初完封。大金星のウイニングボールをがっちりと握りしめ、爽快な笑顔でマウンドを駆け下りた。
今年、道内で公式戦負け知らずの古豪を、緩急で幻惑した。真っすぐの最速は、130キロに届かない。90キロ台のカーブにチェンジアップと、緩い球を有効に配し、相手打線を翻弄(ほんろう)した。「真っすぐのタイミングで待っていたら、わざとセットポジションで投げた」。塁上の走者に何度も視線を送って打者の集中力を削ぐなど、難敵封じのため工夫を凝らした。わずか95球。早打ちを誘い、凡打の山を築いた。
攻撃は鮮やかな集中打で、今夏、甲子園のマウンドを経験した北海のエース大西を攻略した。1回1死二塁から、3番石出泰地三塁手(2年)、4番塩内と連打で続いて2点を先行。4回は下位打線が3安打を集めて1点を加え、4-0の9回は、スクイズに塩内の適時二塁打と畳み掛けた。本塁打を含む12安打のうち、11本が中堅から逆方向への打球。速球派対策として、打撃投手を通常より1メートル前に立たせ、直球に振り負けない力と、カウントを取りに来る変化球を捉える練習を積んできた。「対戦が決まってから、データ班が寝ずに考えてくれた。全員でつかんだ勝利です」と塩内は、誇らしげだ。
春夏と札幌地区予選敗退が続いていたチームは、今年、公式戦初勝利。横山蔵人監督(54)は「北海相手に、こんなに良い試合が出来て驚いている」と謙遜するものの、現校名になった96年夏以降、北海にはこれで2戦全勝と相性はいい。前身の札幌経済時代を含め、3度目の全道出場へ。今秋、赤い旋風が吹き荒れる。【中島宙恵】

