山形中央の梅津寛樹投手と鈴木駿也投手(ともに3年)が、プロ志望届を24日付で提出した。山形県高野連が25日、公表した。梅津は最速144キロ、鈴木は147キロの右腕。今夏、県準々決勝で敗退したが、東北地区では屈指のスピードを誇る両投手にプロのスカウトも注目していた。10月30日のドラフト会議を待つが、指名されない場合はそれぞれ社会人でのプレーを続ける。

 昨秋は県準優勝、今春も4強に進出するなど「公立の星」の山形中央。その屋台骨となった2枚看板、梅津と鈴木がプロを志す。「上の世界、上のレベルで野球をやるのが夢だったから」と口をそろえた。

 エースナンバーを背負った梅津は、しなやかなフォームから投げ込む。背番9を付け力感あふれる投球をした鈴木は、2年夏まで遊撃手を務めるなど器用だ。本格的に投手を始めたのは梅津が軟式野球の中2秋から、鈴木が高2秋からと、ともに将来性も高い。

 進路に関して、庄司秀幸監督(32)は昨年冬から時間をかけた。社会人野球の住友金属鹿島でプレーした同監督だけに、将来ある2人には慎重だった。志望届提出直前に、作文も書かせたという。「2人とも『公立校として甲子園に出て、県民のみなさんと感動を共有する目標が果たせなかった。だからプロでそれを共有したい』と同じことを書いていた。気持ちがブレなければ、やっていける」と提出を認めた。

 梅津は「岩隈さん(楽天)のようになりたい」、鈴木も「155キロが目標。スピードを追求しながらも、勝てる投手に」と将来像を語った。今年は大学・社会人との一括ドラフトに戻った。昨年までより狭き門だが、2人の夢がかなうか注目だ。【清水智彦】