超党派の国会議員でつくるスポーツ議員連盟は14日、スポーツ振興くじ(サッカーくじ、愛称toto)の制度改正に関するプロジェクトチーム(PT)の会合を開き、新たにくじの対象とするスポーツはプロ野球を軸に検討することを決めた。新くじ発売で売り上げを伸ばし、増大が確実視される国立競技場の改築費などに充てる狙いがある。

 PTはプロ野球のくじを発売する場合は、懸念される八百長防止のため、コンピューターが無作為に勝敗を選ぶ「非予想系くじ」とする方針で一致した。遠藤利明座長は「不正ができないことを打ち出せば、売り上げは見込める。野球が対象になるのはインパクトがある」として、2014年度に過去最高の約1107億円だったtoto売り上げの2割増を目標に掲げた。

 野球賭博との関わりで選手が八百長行為をしたとされる「黒い霧事件」の反省から、球界にはくじの対象となることに抵抗感があり、反発も予想される。

 議連は5月上旬までに日本野球機構(NPB)や日本プロ野球選手会などの関係団体と協議し、実現に向けて協力を求める。今国会中に議員立法で関連法の改正法案の提出を目指す。国立競技場の改築に充てることができるくじの収益の割合を、従来の5%から10%へと引き上げるため、日本スポーツ振興センター法の改正を目指す方針も固めた。

 ◆現在のtoto サッカーの指定された試合の勝敗やゴール数を予想。ランダムに選ばれた13試合でホームチームの勝ち、負け、それ以外を予想。全的中の1等当せん金は通常1億円で、キャリーオーバー時は最大5億円。1試合外れの2等、2試合外れの3等まで当せん金が支払われる。5試合予想の「mini toto」なども。14試合の結果をコンピューターが選択する「toto BIG」1等は最大3億円でキャリーオーバー時は最大6億円。19歳以上から購入できる。