史上初のアベック首位打者を狙う。ヤクルトの川端慎吾内野手(28)が12日、出身地の大阪・貝塚市内で、妹で女子プロ野球・埼玉アストライアの友紀内野手(26)と野球教室に参加。地元の小中学生280人を相手に約3時間指導した。今季、打率3割3分6厘で初の首位打者を獲得した兄は「めちゃくちゃ難しいでしょうけど、夢はでっかく目指していかないといけない」。球団史上初となる、同一人物の2年連続の首位打者獲得に挑戦する意欲をみせた。

 兄に負けてはいられない。同じ左の好打者として活躍する妹。今季は打率3割7分9厘を記録しながらもリーグ2位の成績に終わり「兄の首位打者は刺激になった。自分もとらなきゃ、という気持ちになりました。そこが来季への課題ですね。いつか一緒に同時にとれるように頑張りたい」と雪辱を誓った。

 友紀は今年1月、兄が山田、中村らと毎年行う愛媛・松山での自主トレに初めて参加した。「自分の打撃フォームを見直すことができた。来年も参加したい」と、間近で兄の技術を盗む心構えだ。

 兄もさらなる進化を遂げる。今季は195安打で最多安打も獲得。その中で際立ったのが、リーグ1位の31本の内野安打数だった。「内野安打は一番うれしい。カウントで追い込まれてから出ると投手へのダメージも大きい。もっと狙っていきたい」と、技術に磨きをかける。兄妹で切磋琢磨(せっさたくま)し、夢のダブル受賞を目指す。【栗田尚樹】

 ◆川端友紀(かわばた・ゆき)1989年(平元)5月12日、大阪・貝塚市生まれ。葛城小3年から野球を始める。ポジションは外野と一塁、投手。貝塚三中と市和歌山商(現市和歌山)ではソフトボール部で投手。高2で国体出場。実業団のシオノギ製薬に半年ほど所属し、1年間のブランクの後、09年に日本女子プロ野球機構の第1回トライアウトに合格。プロ1年目の10年、11年、13年に首位打者。右投げ左打ち。ロッテ益田は高校のクラスメート。

 ◆女子プロ野球 2009年(平21)、日本女子プロ野球リーグが発足。京都アストドリームス、兵庫スイングスマイリーズが誕生。翌10年に日本女子プロ野球リーグが開幕した。現在は、京都フローラ、埼玉アストライア、兵庫ディオーネ、東北レイアの4チームでリーグ戦を行っている。