広島緒方孝市監督(47)が今季初勝利を挙げた。先発黒田の粘投を受け、新井の同点打に加え、天谷が起用に応え勝ち越し打を放ち、盗塁も決めた。胸がすくような終盤の逆転劇。指揮官のタクトに応える猛撃でチームは1勝1敗。カード勝ち越しをかけて、今日27日も勝つ!
集まった3万868人に緒方監督は丁寧に頭を下げた。昨季何度もやられたDeNAに終盤の逆転激勝。6回だ。新井が同点打を放ち、天谷が決めた。何より今季初勝利に、球場全体が沸いた。緒方監督はホッとした表情で「超満員だったので、早く試合後に並んであいさつしたかったよ。よかった。去年も2戦目だったね」と話し始めた。
6回の攻撃前。ベンチ前で円陣が組まれた。DeNA先発の久保康は少しずつ疲れが見え始めていた。「浮いてきたところを一発でいこうや!」。指揮官の思いはコーチへと伝わり、さらには熱さを増してナインへと伝わった。「言った通りの攻撃になってくれたね」。思わず頬が緩んだ。
2月中旬。カギとなる選手と共に食事し、腹を割った。「どういう考えか、野球観か、目指すものは何か。分かってもおうと思った」。変化の1年はすでに始まっていた。就任1年目の昨季はモチベーションを最重要視。平等を示すように厳しさを出し、ナインとはわざと一定の距離を保った。だがタクトの真意や目指す野球が伝わらず、混乱や誤解を招くこともあった。正解のない監督業。理想の監督は「勝つ監督じゃないか」と言った。自身も柔軟に変化した。
26日、「投手を中心として守り勝つ野球」は実体となって現れた。前日25日は開幕スタメンに下水流を起用。この日は入れ替えた天谷が結果を残した。得点には大きくリアクションを取り、選手にも積極的に声を掛ける。「悩むね。明日は下水流を使おうと思っていたけど。天谷がこの活躍でしょ」。平等な競争は振ったタクトの軌跡で示した。緒方カープ2年目の始まりだった。「明日もしっかり勝って、並んであいさつしたいね。勝ち越してスタートしたいね」。長い1年が始まった。【池本泰尚】



