信じられん…。阪神は9回、日本ハム・レアードの逆転サヨナラ2ランで撃沈した。藤川球児投手(35)が1点リードを守れず、今季ワーストの連敗は5に伸び、借金も4。首位広島とは5・5ゲーム差に広がった。金本知憲監督(48)は拙攻、守備の乱れを指摘。ミスの積み重ねが悲劇的な結末になった。「日本生命セパ交流戦」はヤクルトと並び最下位に転落した。

 藤川の口元は「しまった…」と動いた。あとは左翼席に飛び込む白球をぼうぜんと見送るしかなかった。1点リードの9回無死一塁。レアードへのフォークが甘く入り、まさかの逆転サヨナラ2ラン。「やられましたね。申し訳ないです」。勝利目前からの大暗転…。背番号18はうつむくしかなく、連敗はさらに今季最長の5に伸びた。

 だが金本監督が藤川を責めることはなかった。「打たれたのはしょうがないからね」。右肩痛で降格中のマテオに代わる、35歳の臨時守護神。サヨナラ被弾はタテジマ復帰後初で、11年の巨人戦で古城に許して以来5年ぶり。指揮官には、1点リードでしか託せなかった思いもあったのかもしれない。

 むしろ、攻守両面のミスに悲劇が潜んでいた。「それは大きいね」。5回までに10安打し、計14安打を放ったが得点は4点だけ。日本ハムは4回まで1人も走者を出せなかったが7安打で5点。スコアがもどかしさを象徴していた。

 ★攻めのミス 初回は安打出塁した西岡が、けん制で刺された(記録は盗塁死)。4回は右前打を放った北條が一塁をオーバーランして、カットプレーで憤死。状況判断ができていれば、2死一、三塁にチャンスが広がっていた。

 ★守りのミス 6回は梅野の一塁けん制悪送球から1死三塁にピンチを広げた。ここで杉谷の投前スクイズは余裕でアウトのタイミング。だが内野陣が挟殺に時間を要し、最後は鳥谷の送球も浮いて本塁セーフと判定された。リプレー判定の結果、アウトに覆ったが、この時打者走者も三塁に進めてしまっていた。このあと、結局中田に同点打を浴びるなど、締まらない展開だった。

 「2回のチャンスもね」。1点を先制した2回、なお1死三塁の好機では北條と横田が凡退。6回以外は毎回走者を出したが、なかなか得点できない拙攻も痛かった。タラレバを言えばキリがない。金本監督はそれ以上、苦々しく振り返ることをやめた。

 「勝てない時は何をしても勝てない。それは俺も選手で経験してるからね。勝つ時は苦労せず、すんなりササッと勝つ。ここはもう我慢、我慢」。連敗ストップを確信していた分、落としたショックは大きい。借金も最多の4に増えた。でも、我慢の先には…。明けない夜はない。【松井清員】

 ▼藤川のサヨナラ被弾は11年8月3日巨人戦(東京ドーム、9回古城)以来で、4度目。過去3度は、いずれも同点から。逆転サヨナラ本塁打は初。本塁打を含み、サヨナラ打を許したのは9度目。

 ▼阪神は今季のワーストを更新する5連敗。昨季4月4日巨人戦~11日広島戦までの6連敗時以来のトンネルとなった。交流戦中の5連敗は、12年5月16日日本ハム戦~22日オリックス戦以来で3度目。

 ▼今年の交流戦は楽天、西武、ロッテに続き、日本ハムでも初戦を落とした。昨年は6カードの初戦は○○●○●●だった。

 ▼チーム本塁打ゼロが7試合連続となった。交流戦中の阪神の連続試合本塁打ゼロは、11年と12年に6があったが、ワーストを塗り替えてしまった。