交流戦も怖くない!! DeNAがオリックスに圧勝し3連勝を決めた。先発の山口俊投手(28)が5安打で、自身初の2試合連続完封をマーク。セ・リーグの投手では、交流戦の2試合連続完封は史上初の快挙だった。打線も筒香嘉智外野手(24)が3戦連続打点を挙げるなど援護。交流戦4カードを終え、7勝5敗と白星先行で、単独2位に浮上した。

 パ・リーグの猛者をはねのける戦いぶりだ。エース山口がマウンド上で仁王立ちだ。1回1死から2連打で一、三塁のピンチを招いたが冷静だった。T-岡田をストライク先行で追い込むと、最後はフォークを沈め空振り三振。「三振を取りにいった中ですごく大きなアウトだった」と一難をしのぐと、続く中島も初球を詰まらせ遊ゴロに打ち取った。ピンチらしいピンチは立ち上がりだけ。1人で120球を投げ抜き、球団では9年ぶり2戦連続完封をやってのけた。

 多彩な変化球の中で特に効果的だったのが「だいぶいい」と自認するカーブ。昨季は主に初球のカウント球に使うことが多かったが、今季は打者のタイミングをうまく外す軌道で投げられている。「勝負球でも使える」と投球の幅が広がった。余力十分で迎えた9回は149キロをマークした。開幕前に山口をエースに指名したラミレス監督はチームを単独2位の座に導く好投を「スバラシイ」と日本語で絶賛した。

 昨季は貯金10で交流戦に入るも、3勝14敗1分けの大失速で借金生活に突き落とされた。筒香は「去年はずるずるいってしまった。今年はしっかりと切り替えて戦えている」と話す。山口も「パ球団を相手に2戦連続完封は自信になる。今年はどん底からのスタートだったので」と交流戦前、5月初旬の借金11からの再浮上が昨季と対照的だと強調した。

 パ優勢の交流戦でセ球団唯一の勝ち越し中で、貯金2。残す2カードは日本ハム、楽天をホームに迎える。ラミレス監督は「1日1日をしっかりと戦っていくことは変わらない。次はホームでしっかりと戦いたい」と引き締めた。派手さはいらない。じわりじわりと勝ち星を重ねていく。【為田聡史】

 ▼山口が5日ロッテ戦に次いで2試合連続完封勝ち。DeNAで2試合連続完封勝ちは、07年に三浦が7月7日広島戦、同13日ヤクルト戦、寺原が9月28日ヤクルト戦、10月5日ヤクルト戦で記録して以来、9年ぶりになる。また、交流戦で2試合以上続けて完封勝ちは、11年ダルビッシュ(日本ハム)3試合連続、14年則本(楽天)2試合連続に次いで3人目。セ・リーグの投手では初めて交流戦で連続完封を達成した。