阪神がわずか2安打の惨状でソフトバンクに完敗した。先発千賀に13三振。チームでも14三振を記録し、13試合連続ノーアーチと元気がない。

 その象徴が大砲ゴメスだ。4回2死の2打席目。千賀の初球フォークがワンバウンドになり、あっけなく空を切る。低めへ落ちる球に対応できず、追い込まれて再びベース上をバウンドしたフォークにバットは当たらない…。ついに7打席連続三振。セ・リーグの野手では、75年ジョンソン(巨人)が持つワースト記録にあと1と迫った。

 ベンチに戻るとバットを地面にたたきつけてグリップ部分から、へし折った。さらにもう1本…。我を失った長距離砲が平静を取り戻すのは、もう無理だった。1点を追う7回1死走者なしで迎えた3打席目に、「代打狩野」を送られた。来日3年目で初の屈辱。試合後も「今日は何もないよ」と話し、引き揚げた。

 断を下した金本監督が説明する。「当たる気しないでしょ、だって。本人もどうしていいか、パニクっているところもあるだろうし」。今日19日はスタメンを外れる可能性も出てきた。

 2年ぶりに交流戦に負け越し、首位広島と7ゲーム差に拡大。過去、逆転優勝した最大差を上回った。ゴメスの復活が反攻には不可欠だ。【酒井俊作】