日本ハムが首位の座を奪還した。4-1で迎えた7回1死二塁で、3番大谷翔平投手(22)が右前適時打。さらに中田翔内野手(27)が、9回2死一、二塁から、中越えに3ランを放ちダメを押した。4日オリックス戦から2試合連続引き分けと、勝ち切れないムードが漂う中、どうしても欲しかった1勝。ソフトバンクが敗れたため15日ぶりに首位に返り咲き、最短で11日に優勝マジックが点灯する。

 よどみなく貫いた信念で、首位に返り咲いた。栗山監督が、全幅の信頼を置くキーマンに託した。1回の4点を先取して以降、無得点の7回無死一塁。2番近藤へ、代打杉谷を送った。狙いは、犠打。もくろみ通りに1死二塁として続く大谷に、追加点への思いを預けた。そこまで3打数無安打で、1回には無死一、三塁の絶好の先制機で凡退。熱い指揮官は、最佳境へと向かうシンプルな戦法を明かしていた。

 「オレにできることは何だろう。これまで以上に、選手を信じることかな。勝ち切れたら選手のおかげ。負けるならオレのせい」

 信じて、呼応した。大谷が137キロの直球系を振り切り、痛烈なゴロで一、二塁間を破る。ダメ押しの適時打。大谷はハートを揺さぶられた。「送ってもらっていた後だったので、しっかり打たないといけないと思っていた」。好気配は見えなかったが、研ぎ澄ませて読んでいた。栗山監督は興奮を抑え、静かに語った。「試合を決められる人は限られている。決められる人のところに試合(の勝負どころ)を持っていくんだよ」。残り17試合。大谷を含めた全員野球で、ソフトバンクを半歩リードした。

 個性あふれるタレント軍団を自在に操る。根幹にあるピュアな感性は、無邪気な願掛けでも顕著だった。8月中旬の仙台遠征で、リフレッシュのため市内の八木山動物園へ足を延ばした。穏やかな気持ちになるはずが、おりの中にいるソフトバンクの「タカ」と、楽天の「ワシ」を見つけると一瞬で野球人に変身した。キュートな鳥たちに、拳を向けて「絶対、負けねーぞ!」と叫んだという。さらには「ホッキョクグマ」のブースで足を止めると、逆転優勝を誓った。

 最大11・5ゲーム差からのドラマチックな逆転Vを完遂できそうな芽を、また作った。「最後に笑えればいい」。熱血すぎる総大将を先導役に全力、全身全霊でラストスパートに入る。【高山通史】

 ▼日本ハムが8月25日以来15日ぶり、今季2度目の首位に立った。日本ハムの最短マジック点灯は11日。日本ハムが○○でソフトバンク●●か●△、日本ハムが○△でソフトバンクが●●でM13が出る。

 ▼日本ハムとソフトバンクのCS進出が9日決定した。CSが始まった07年以降、両チームのCS出場はともに3年連続8度目。