ヤクルト田中浩康内野手(34)の今季限りでの退団が7日、決まった。球団が発表した。球団側は、9月中旬頃に来季の戦力構想から外れていることを伝えていた。指導者のポストを打診したが、現役にこだわる田中浩との間で、結論がまとまらなかった。昨オフには、海外FA権を行使して残留を決めた田中浩は「苦渋の決断でした。今後はオファーがあれば、考えたい」と話し、現役続行の意志を固めている。

 球団側は話し合いを重ねる中で、選手兼任コーチの案も打診していた。引退試合のプランも検討するなど、功績を高く評価していたが、折り合いがつかなかった。小川シニアディレクターは「彼とは長い間をかけて話し合いをしてきました。球団の希望としては、現役引退後スワローズの指導者として協力して欲しい旨を伝えてまいりましたが、本人の現役続行への強い希望があり、残念ながらこのような結果となりました」と説明した。

 プロ12年目の生え抜きも、近年は本職の二塁で若手の山田が台頭したこともあり、なかなかアピールすることが出来なかった。出場機会を得るため、昨季から外野手、一塁にも挑戦したが、今季は31試合の出場で、打率1割8分8厘、本塁打0、1打点にとどまった。燕一筋の功労者が、去ることになった。

 ◆田中浩康(たなか・ひろやす)1982年(昭57)5月24日生まれ。京都府出身。尽誠学園-早大を経て04年ドラフト自由枠でヤクルト入団。07、12年にベストナイン。12年にゴールデングラブ賞を獲得。177センチ、77キロ。右投げ右打ち。推定年俸6500万円。