西武菊池が侍斬りで新球フォーク習得へ手応えを得た。14日、宮崎・南郷でのキャンプ第3クール最終日、今年初の実戦となる紅白戦で先発。1回を打者3人無安打と完璧な投球をみせた。「やりたいと思ったことができました」と納得の表情。それは1番秋山相手のフォークのテストだった。

 1ストライク後の2球目、135キロフォークで空振りを取ると、さらに3球目もフォーク。ボールゾーンへ鋭く落ちる決め球に、シーズン最多安打記録保持者のバットも空を切った。

 「空振りが取りにくい秋山さんだからこそ、試す価値があった」と菊池。7日に辻監督から開幕先発を告げられた。岸が楽天に移籍した投手陣で、求められるのは大黒柱の働き。追い込んですぐ打ち取れる決め球の習得は、球数を減らし、投球回数を稼がないといけないというエースとしての自覚の表れだ。

 3球三振は、まさにその意図にそったもの。秋山からは「いい球だった。フォークを操る左腕も少ないし」と太鼓判を押された。直球も最速151キロを記録。貫禄の投球は「しっかり仕上げて、首脳陣や選手みんなを安心させたい」という気持ちの表れでもある。【塩畑大輔】