今日31日に、プロ野球が開幕する。楽天は、敵地でオリックスと対戦し2017年シーズンのスタートを切る。今季選手会長・銀次内野手(29)は、本職の一塁ではなく、「二塁」でスタメン出場が濃厚。自主トレをともにする昨季の新人王候補・茂木栄五郎内野手(23)と二遊間を組む。攻守のセンターラインを「銀次組」が引っ張る。

 手元には慣れ親しんだ一塁手用のミット。もう1つ、内野手用グラブがあった。銀次が、シートノックの準備に入った。向かった先は、二塁。大きな声を出し、ゴロを軽快にさばく。ゲッツーの確認作業にも余念がない。オリックスとの開幕戦。主戦場の一塁ではなく、不慣れな二塁での出場が決まった。「いつも通り、やるだけです。開幕だからといって、特別なこともしない」と選手会長らしく、どっしりと構えた。

 アクシデントから、巡ってきた。二塁手といえば、昨季ゴールデングラブ賞を獲得した藤田の存在が切り離せない。だが、オープン戦中に、右足に自打球を当てたことにより、万全の状態ではない。不測の事態を考え、キャンプ中から二塁の練習に取り組んできた銀次にスポットライトが当てられた。梨田監督は「いろんな可能性を持って」と、チームのセンターラインを託した。

 軍団の一員と、チームを盛り上げてみせる。茂木と二遊間を組む。今年から発足した「銀次組」で、沖縄での自主トレをともにする後輩。公私ともに仲のいいコンビとのプレーで鉄壁のディフェンスを目指す。もちろん、その攻撃力も期待される。敵は、球界随一の安定感を誇るオリックス金子。銀次は「嫌な感じはない。受け身にならず、初球から積極的に振っていきたい」と攻略のイメージをふくらませた。茂木も「どんどん仕掛けていきたい」と、リードオフマンとしての活躍に決意を込めた。

 2人の左の好打者が、打線の軸となることは言うまでもない。守備でも軸を作り上げる。仙台で、「サッカー選手にいそうな髪形」をイメージして、両サイドを刈り上げた銀次。軍団の筆頭、チームの選手会長として、今年の楽天をけん引する。【栗田尚樹】