ヤクルト原樹理投手(23)が、ローテーションの谷間の危機を救い、今季初勝利をマーク。今季2度目の先発で6回を4安打1失点。下半身の張りで17日に抹消された先発投手・山中の抜けた穴を見事なピッチングで埋め、チームを4位浮上に導いた。

 ふがいない自分自身に別れを告げた。今季の原樹は開幕から不調で、防御率も5点台だった。「いつも試合になると、体が突っ込んで腕が体から離れてしまう。技術的な問題。今日は突っ込まないのと、しっかり体をひねることだけ、意識して投げました」と、この日の好投の要因を話した。

 フォーム的な欠点の修正だけではなかった。84球の内、中継ぎではあまり投げないカーブも8球を交ぜた。真中監督は「中継ぎだと、1点もやれないという思いが強くなる。今日はいろんな球種を投げていた。カーブは打たれたけど、打者のタイミングをずらす分にはいい」と解説したように、期待以上の投球を見せた。

 感謝の気持ちを結果に結び付けた。先発を告げられたのは3日前で「惨めなぐらいひどかったのに…。それでもチャンスをくれたんで、やってやろうという感じでした」。今後の起用法は確定していないが、再び先発のチャンスは十分。チームも3連勝で勢いがついてきた。