<国民栄誉賞表彰式&引退セレモニー>◇5日◇東京ドーム

 巨人や米大リーグのヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(38)への国民栄誉賞授与式が、巨人-広島の試合前に行われた。

 松井氏の引退式のあいさつは以下の通り。

 ジャイアンツファンのみなさま、お久しぶりです。

 2002年ジャイアンツが日本一を勝ち取った直後、ジャイアンツに、そしてファンのみなさまに、自らお別れを伝えなくてはいけなかったとき、もう2度とここに戻ることを許されないと思っていました。

 しかし今日、東京ドームのグラウンドに立たせていただいていることに、今、感激で胸がいっぱいです。

 1992年のドラフト会議で、わたしをジャイアンツに導いてくださったのは長嶋監督でした。王さんのように1シーズンでホームラン55本打てるようなバッターを目指せと、背番号55番をいただきました。将来は立派にジャイアンツの4番バッターを務めなくてはいけないと思い、日々努力したつもりです。ジャイアンツの4番バッターを任せていただけるようになり、誇りと責任を持って毎日プレーしました。ただ、その過程には常に長嶋監督のご指導がありました。

 毎日毎日2人きりで練習に付き合ってくださり、ジャイアンツの4番バッターに必要な心と技術を教えていただきました。またその日々が、その後10年間アメリカでプレーしたわたしを大きく支えてくれました。そのご恩は生涯忘れることはありません。

 今日、ファンのみなさまに久しぶりにお会いしたというのにもかかわらず、再びお別れのあいさつとなってしまい、もう1度プレーする姿をお見せできないのは残念ですが、これからも、僕の心の中には常にジャイアンツが存在し続けます。どういう形か分かりませんが、またいつかみなさまにお会いできることを夢見て、また新たに出発したいと思います。ジャイアンツでプレーした10年間、そしてアメリカでプレーした10年間、いつもいつもみなさまからの温かい声援が僕に、元気を与えてくれました。

 ファンのみなさま長い間、本当に本当にありがとうございました。