今季限りでの現役引退を表明したDeNA篠原貴行投手(37)が30日、横浜市内の球団事務所で引退会見を行った。

 ー決断した理由は

 篠原

 今年1年、ファームで若い選手とプレーしている中で「もっとうまくなってやろう」という必死さがものすごく伝わってきた。僕自身、この若い選手たちには勝てないな、と思って決意しました

 ー決めたのはいつ

 篠原

 春先に(左)肘を故障してリハビリを続けてきた。ゲームでは投げられる状態にはなりましたが、自分のボールが投げられない日々が続いていた。今月(9月)頭に決めました。

 ー今季1軍で投げたい思いは

 篠原

 野球選手である以上、上(1軍)で活躍してなんぼ。その思いはありましたけど、自分のボールが投げられなくなって、引き際かな、と思いました。

 ー16年間の現役生活で印象に残る試合は

 篠原

 小さい頃から優勝というものをしたことがなかったので、ダイエー(現ソフトバンク)2年目で優勝(日本一)したこと。そして2003年に胴上げ投手になれたことが、一番の思い出です。

 ー中継ぎ一筋のプロ野球人生

 篠原

 144試合、調子の大きな波を作らないことを心掛けてきた。うまくいかないこともありましたが、先発の思いをついで、抑えに託すのが僕らの仕事。中継ぎは1球でゲームを支配できるけど、1球でゲームを壊すこともある。1つのストライクで拍手、1つのアウトで歓声をいただいた。応援してくれたファンの前で毎日投げたいと思った。ファンの方に支えられた野球人生でした。

 ー横浜(現DeNA)に移籍しての4年間は

 篠原

 元気のあるチームで、結果に結び付かないことも多かったですが、4年間ベイスターズでプレー出来たのは幸せでした。

 ー引退試合となった前日29日の2軍日本ハム戦では大きな拍手が送られた

 篠原

 ブルペンで肩を作っているとき、いろいろなことを思い出した。走馬灯のように流れる、というのはこういうことなんだなと思いました。引退試合だけど、いつも通りアウトを取りにいこうと。16年間やってきたことが、最後までできました。(三振を奪った時は)終わっちゃったな、と思いました。

 ー今後は

 篠原

 正直、寂しい気持ちはありますが16年間プレーできたことはよかった。(今後は)全く白紙です。野球に全力でぶつかった16年だったので、今は少しゆっくりしたいな、と思います。