<オリックス0-2楽天>◇27日◇スカイマーク
楽天のエース岩隈久志投手(26)がオリックスを2安打無四球に抑え、近鉄から移籍して初の完封勝利を挙げた。楽天の2試合連続完封は初で、開幕4連敗から逆襲態勢に入った。
ヒーローインタビューのため遅れた岩隈がバスに乗ると、待ち受けたナインから拍手と歓声で迎えられた。04年以来の完封勝利。楽天では初めての完封だった。「完封は意識はしませんでした。7回くらいから1人1人と思って投げた。苦労かけたカミさんに、何とか(ウイニング)ボールを届けようと思ってました。(家族は)仙台でテレビ観戦なんですよ。早く、家に帰りたいな」と、一夜明けての飛行機移動が待ち切れない様子だった。
しんでとらえさせないエースの直球だった。9回1死、坂口にはカウント2-1から内角低めの直球。112球目とは思えない勢いのあるボールで、身動きもさせずに三振に仕留めた。20日のソフトバンクとの開幕戦は7回に昨年手術した右ヒジに張りを覚え、7回1失点でマウンドを降り、チームはサヨナラ負けを喫した。この日は張りも「全くなかった。集中力が途切れませんでした」と、降板は念頭になかった。
全イニング先頭打者を抑える2安打117球。初体験の無四球完封。エースの進化が結実した。始まりは、昨年10月16日。3年間違和感を感じていた右ヒジを手術した日だった。「もっと自分は良くなると思う」。進化のための手術だった。「手術台に乗った時から開幕試合のことを考えていた」と、投手陣の中心となる使命を自ら背負った。2月21日に紀藤投手コーチから「オレの頭の中では(開幕は)お前だ」と託されたものの、オープン戦での不振で、一時は開幕登板が微妙になりかけた。だが「開幕投手を目指します」と、こだわり続け、つかみ取った。開幕戦は負けたが「次までしっかり調整し、責任を果たします」と誓った通りの投球だった。
エースの復活、球団初の2試合連続完封に、開幕4連敗で元気のなかった野村監督も「言うことなし。投手王国になってきたな。生涯ボヤキ、撤回!」と、なじみのない「投手王国」まで口にした。岩隈が健在なら、その4文字も決して大げさではない。【金子航】



