<西武2-3ソフトバンク>◇28日◇西武ドーム
関東地方は桜が満開で、そんな花たちに客足を奪われたわけでもなかろうが、金曜日のナイターというのにこの日の西武ドームのスタンドはガラガラだった。観衆は9184人。1万人も集まらなかった。王監督がホークスのタクトを握った95年春。開幕戦はここ、西武ドーム(当時は西武球場)だった。怪人ミッチェルがいきなり来日初打席満塁弾を放った何ともドラマチックな幕開けに、超満員のスタンドからは歓声とため息が交錯したものだ。
あれから13年。5年ぶりのV奪回を目指す王ホークスと、渡辺新体制の元、26年ぶりBクラス転落の屈辱から常勝返り咲きを狙うライオンズ…。閑散としたスタンドを眺めると月日の流れを感じずにはいられない。今年はホークスが福岡移転20年の節目なら、西武は球団30周年のメモリアルイヤー。レオ党への再喚起に向けた西武のあの手この手のイベント作戦も球場内のビジョンに流れてはいるが、どこまでアピールが伝わっているのだろうか。29日、30日の2試合と4月5、6日の楽天戦(西武ドーム)は「30周年シリーズ」と題して来場者3万人に記念カードのプレゼントも企画されている。集客と常勝…。かつて黄金期には「勝ってもおもしろくない」と揶揄(やゆ)された歴史がある西武にとって、両面の再建の道は平坦ではないようだ。
「今年はどこが抜け出すとかじゃなくて、混戦になるんじゃないかな」。開幕前にペナント戦線をそう予想した王監督だったが、フタを開けてみれば5連勝に、3カード目の西武戦も頭を取った。試合後、チーム関係者が言った。「こういう接戦をものにするのが大きい」。開幕投手の杉内にも今季初白星がついた。
ライオンズが西武となって2年連続してホークスが勝ち越したことはない。今年こそ、歴史を塗り替えるシーズンである。【佐竹英治】




