<阪神4-2横浜>◇28日◇京セラドーム大阪

 やっぱり金本や。オープン戦は最初の打席で本塁打した後、16打席連続無安打と苦しんだけど、開幕すればこの人は違う。2点を追う4回に、右翼越え弾丸ライナーの同点打を放ち、足は万全でないのに、一気に三塁を陥れた。これで勢いづいた阪神は今岡のタイムリーで勝ち越し、最後はJFKがピシャリと締めた。今季も虎を引っ張っていくのはアニキですな。V奪回まで頼みまっせ!

 一直線に右中間へ伸びる打球を、虎党の歓声が包み込む。4番の役割を果たしたい。伸びろ、伸びてくれ!

 そんな思いがボールに伝わった。鉄人が開幕の舞台で、周囲の不安を吹き飛ばす同点タイムリー。主砲のひと振りが、横浜に傾きかけていた流れを一気に呼び込んだ。

 金本「集中力はあったので、とにかく大振りせず、バットにこすりさえすれば、飛んでくれるかなと思って打った」。

 4回の2打席目だった。1死一、二塁、フルカウントから、横浜先発寺原の投じたインコース高めの147キロ直球を真芯でとらえた。金本は二塁ベースを駆け抜けると、そのまま一気に三塁まで激走。チーム初安打となる三塁打に、自然とほほも緩んだ。

 金本「赤星、新井が気持ちを抑えて四球を選んでくれたので、もう何とかしないといけないと思って。足を引っ張ることなく、チームに貢献できてよかった」。

 左ひざの手術から161日。もがき苦しんでここまでたどり着いた。オープン戦で放った安打は、3月5日の故・島野コーチの追悼試合での本塁打1本のみ。実戦に本格復帰した15日以降はまったく結果が出ず、オープン戦での打率は16打数1安打、打率0割6分3厘。開幕1週間前からは、異例のビデオ撮影でスイングをチェックし、ミラールームで黙々とフォームを調整。鉄人はもがき苦しんでいた。

 手術の影響で細くなった左足のふくらはぎが、右足とほぼ同じ太さにまで回復したのも3月下旬に入ってから。トレーナーの二人三脚でこつこつと続けてきたリハビリが、ようやく形になって実を結んだ。

 金本「今日こうやって開幕で勝つことができて、監督、コーチ、球団、付きっきりでみてくれた石原トレーナー、そしてファンの皆さまにお礼が言いたい。ありがとうございます」。

 手探り状態の中で、飛び出した弾丸ライナー。久々にヒットが出たことで自信も取り戻した。今岡と並んだお立ち台では、新たな目標さえ口にした。

 金本「今の状態?

 全然大丈夫です。今年はクリーンアップの3人で333点くらいいきたいですね」。

 虎党にとってこれほどうれしい言葉はない。新井、金本、今岡のAKI砲でこれだけの打点を稼ぎ出せば、自然と優勝も近づいてくる。この日の2打点はまさにその一歩。まだまだこんなもんじゃ終われない。鉄人が、08年シーズン幕開けの鐘を鳴らした。【福岡吉央】