<阪神4-3横浜>◇29日◇京セラドーム大阪
最後も金本だった。9回表1死。勢いよく伸びる横浜仁志の打球を必死に追いかけた。そしてフェンス際でジャンプ。体はフェンスにたたきつけられたが、決してボールは離さない。心配するベンチを振り返り、OKマークで「大丈夫!」。9回1点差という大事な場面で、自ら体を張ってチームを勝利に導いた。
金本「みぞおちを打って、あれからゲップが出るんだけど、何でかな?(笑)。(スタンドに)入ったかなと1回あきらめかけたけど、イチかバチかでいったらいけた。怖さ?
プレー中は怖くないよ。そんなこと思う時間も暇もない」。
開幕2戦目で早くも全開だ。左ひざを手術し、リハビリに時間を費やした。米ロサンゼルスで単独キャンプ、そしてオープン戦では最初の打席、本塁打の安打1本だけ…。あらゆる不安材料が遠くにかすんで消えていく。それは守りだけではない。大爆発のバットも同じだ。
初回、1死一、三塁で右翼線に運ぶ先制適時二塁打を放った。3回にも右前打を放ち、迎えた6回の3打席目だ。横浜ウッドの高め直球を叩く。打球はライナーで右翼席に突き刺さった。初回の2得点から0行進。2-1とわずか1点のリードを先発の岩田が必死に守ってきた。若い左腕へ、初白星を大きくたぐり寄せる一撃。それは金本にとってもこの日、3本目の安打。開幕2戦目での猛打賞は自己最速のおまけもつけた。
金本「そんないい当たりではなかったけど、入ってよかった。今日は内容のあるヒットや本塁打がいいところで打てたと思う。でもまだまだ。150キロ近いストレートを投げる投手も、切れのいい変化球を投げる投手も今からもっと出てくるからね」。
打てる兆候は試合前からあった。試合前のティー打撃では、前日まで2日続けて使っていた試合用の白木のバットから、普段通りのマスコットバットに戻した。練習前にミラールームで納得いくスイングを取り戻した証拠。そして試合でもきっちりと結果を残した。
周囲の不安をよそに、鉄人は2日で4安打と早くもエンジン全開。そして2日連続となったお立ち台では、得意の新井いじりまで飛び出した。
金本「3番新井くんがしょうもないアウトに倒れたので、何とか流れを変えたいと思って打ちました」。
こんなジョークも調子がいいからこそさえ渡る。節目の2000本安打にも、残り9本と一気にひとけたとした。カウントダウンは順調に進む。それはチームの連勝につながっている。【福岡吉央】



