<広島1-5巨人>◇18日◇広島
盛り上がるベンチの中で巨人原監督の口元は真一文字になったままだった。14安打で5得点。1番に坂本を抜てきし、4番に高橋由を据えた新打線が、狙い通りに機能した。本塁打なしで奪った得点は今季最多だった。「全体的に躍動感があった。自分の中では今季のベストゲーム」と試合直後には話したが、打順の話題にはトーンダウン。「僕の気持ちは、なかなか伝わらない。手前ミソになるし周りの目から見て書いてください」と静かに話した。
胸に秘めた思いや考えは山ほどある。昨夜、ホテルの自室で考え抜いた。現状のチーム状態、巨人の伝統。選手やファンの気持ち。育成と勝負。チームの危機的状況を救うため、託すべき選手は誰なのかを決断した。遠征先の名古屋から広島に移動し、自室に呼んだのは、4番に起用することを決めた高橋由だった。
原監督
ジャイアンツのDNAがある。王さん、長嶋さん、松井。おれも一応、入れておいていいかな。生え抜きはDNAを持っている。もう1度、ヨシノブに4番を打たせようと思っている。
リーグトップの本塁打を放っている高橋由。絶好の機会だった。打線の起爆剤として4番を任せたわけではない。勝負に勝つというだけではなく、伝統の巨人打線を、真の意味で復活させたい願いもこもっている。1番には急成長を遂げ、前日までの打率は日本人ではチームトップの坂本、2番には亀井。生え抜きの若い1、2番コンビを4番高橋由がかえす。DNAを持つ選手たちが暴れ回った。
ストレスがたまると首筋が硬くなり、後頭部の後ろに痛みが出る。17日、トレーナーにマッサージを受けた。苦しい状況は、原監督の体もむしばむ。チームを強くするための強い信念と大きな愛情が、原監督を支えチームを支えている。【小島信行】



