パウエルが過去を無視して内角をえぐる。ソフトバンクは22日から敵地で楽天3連戦。初戦先発のジェレミー・パウエル投手(31)は楽天山崎武に過去2度死球を与え、選手同士が乱闘寸前の小競り合いを演じたことがある。因縁対決とも呼べる再戦。それでも内角を突く自分のスタイルを曲げる考えはなかった。「勝つことだけを考える。どこのチームにも危険な打者はいるし、山崎、フェルナンデスもそう。でも1つでも多くアウトを取り、低め、低めに投げて勝利に貢献するだけだ」。日本で68個の白星を積み重ねた自負がある。
パウエルのスタイルを示す数字が、現役では日本球界最多の与死球「73」だ。6年前は歴代2位のシーズン「21」を数えた。数々のの“被害者”の1人が山崎武だ。パウエルがオリックス時代の05年4月には右手薬指裂傷で2針の縫合手術を受け、巨人時代の06年5月の交流戦では右手中指と薬指を骨折した。いずれも乱闘寸前で警告試合となり、山崎武は登録抹消の憂き目にあった。
2度目の際に山崎武は「2回目だろ」と指を2本立て、マウンドに詰め寄った。しかしパウエルは「本気の勝負が野球の面白さ。巨人ファンだけでなく、仙台の野球ファンのみなさん、これからも盛り上げて」と話し、楽天ファンから拍手を受けた。昨年の本塁打王で、リーグ首位打者(打率3割9分)が相手。パウエルは力と力の真っ向勝負を心から望んでいるのだ。
オリックスとの「二重契約問題」で調整が遅れ、15日にそのオリックス相手に今季初登板初勝利。王監督は「初戦を乗り越えたんだから。和巳(斉藤)と同じで気持ちが全面に出るタイプ。大場、大隣と言い、気持ちを出すタイプが増えてきた。22日もパウエルに頑張ってもらいましょう」と背番号49の背中を押した。最低気温は7度の予報だが、杜(もり)の都でパウエルのハートが熱くなる。【押谷謙爾】



