<巨人6-1横浜>◇22日◇宇都宮
巨人の重量打線がマシンガン打線になった。横浜3回戦の3回に23イニングぶりの適時打で先制するなど、13安打のうち相手のお株を奪う単打11本を積み重ねて快勝した。本塁打はなかったが、組み替えた打線がやっとつながった。米アリゾナ州での祖母の葬儀から再来日したマーク・クルーン投手(35)が成田空港から球場に直行し、ブルペンで備えた気迫の合流もチームに勢いを与えた。巨人は連敗を脱し、いよいよ反撃に転じる。
なかなかつながらなかった巨人打線がようやく1本の線になった。3回だ。1死から、この日11試合ぶりに先発出場した谷が、中前打で出塁したのが合図だった。小笠原も右前打でつなぎ、高橋由が四球を選び塁を埋めた。四球後の初球、セオリー通りにラミレスは待っていた。内角の好きなコースに来た速球をコンパクトに振り抜いた。実に23イニングぶりの適時打。弟分のゴンザレスも続き、3点を奪った。
打線の再生は原監督にとって最優先の命題でもあった。名古屋で中日に負け越した後、考え抜いた末に打線をいじった。さらには伊原ヘッドコーチに「外からチームを見て気がついたことがあったら言ってほしい」と一塁コーチを依頼した。当初は「後戻りすることになるのでは」と首を縦に振らなかった伊原コーチに「後戻りになるのは伊原さんが三塁コーチになった時。今はそうじゃない」と口説いた。「今のままじゃ勝てる要素がない。防御率や打率の数字を見れば当たり前だ。でも、それじゃ負けますでは済まない。なんとかするのが役目だから」と、強い気持ちを持って、ここ数試合を戦っていた。
この日の試合前までリーグ2位の23本塁打を放ちながら、リーグ5位の60得点止まり。派手なように見えるが、攻撃に厚みがなかった。走者を出しても送りバントは成功せず、攻撃の形をつくることもできなかった。たまに出る3連発や2連発の本塁打に期待するしかないのが現状だった。それがようやくつながった。1イニングに5安打は今季2度目だが、単打ばかりは初めて。3連発の方が巨人らしいと言えば、そうかもしれないが、そんなものはめったに出ない。この日のような攻撃が出て初めて、相手投手へのプレッシャーになる。篠塚打撃コーチも「1、2、3、4といい形でつないでくれた」と、機能した打線に手ごたえを感じていた。
広島で手がけた原監督のチーム改造がようやく結果を出した形。4安打のラミレスは「一番大事なのはチームが勝ったこと。良くなるのは時間の問題だ」と、打線爆発がすぐそこまで来ているのを予言した。この日は当たりの止まっていた阿部にも安打が出た。原監督は「ラミちゃんにつながる形をつくるということ。由伸、慎之助、ガッツにも1本出た。このへんが打たないと巨人じゃないからね」。開幕前、誰もが恐れた強力打線がもうすぐ目を覚ます。【竹内智信】



