<阪神3-2ソフトバンク>◇7日◇甲子園

 託されたバトン。その重みを感じながら、球児が肉体をフル稼働させた。2-2の延長10回に登場。先頭の3番松中を死球で出塁させたが動揺しない。4番小久保の2球目、146キロ直球を外角に投げ込んだ際、珍しく帽子を飛ばした。体全体を使い、“火の玉ストレート”とフォークを操る。フルカウントからこん身の151キロ直球を外角低めに決めた。空振り三振。主砲を斬り捨て、鷹の戦意を削いだ。

 続く5番柴原は初球150キロ直球で右飛。最後は6番松田をフォークで空振り三振に仕留めた。走者こそ出したが、危なげないリリーフ。直後のサヨナラ劇を呼び込む投球だった。4月30日ヤクルト戦(甲子園)以来の2勝目。防御率も定位置の0点台に戻したが、自身の成績は二の次。チームの一員として、充実感に浸った。

 「これがバランス。チームのバランス。これができている(成り立っている)うちは勝っていける」。この日は先発能見が2回2失点で降板。ソフトバンク先発は“天敵”の杉内だった。次の1点が致命傷になる場面で、リリーバー4人が8イニングを分担し、追加点を許さなかった。1人の失敗を、4人で助けた。球児は、投手陣のリーダーとして、そこに価値を見出した。【佐井陽介】