<阪神1-6巨人>◇31日◇甲子園

 ジェフ2軍落ち。阪神の9月戦線に不安要素が広がった。阪神は巨人戦に敗れ、2位巨人に6差まで迫られた。同点の8回表に登板したジェフ・ウィリアムス投手(36)は押し出し四球と走者一掃の適時二塁打で4点を奪われ、試合を決められてしまった。ふがいない内容に、首脳陣は試合後のコーチ会議で、ウィリアムスの2軍降格を決めた。阪神が誇るJFKは久保田が不調でジェフまでが…。残り31試合でチームは正念場を迎えた。

 満員の甲子園に悲鳴が上がり、そして沈黙が続いた。マウンドで、ウィリアムスが屈辱にまみれていた。同点で迎えた8回表。先頭の小笠原から連打を浴びると、リズムを崩した。制球を乱し、まさかの押し出し四球。さらに代打大道に走者一掃のタイムリー二塁打を許した。06年8月25日の同カード以来となる4失点。「自分の中でも、なぜこうなったのか分からない。調子は悪くない。コンディションも悪くない。フォームも悪くない。何と答えていいのか…」。理由を見いだせず、ぼうぜんとしていた。

 ウィリアムスは前回登板の29日巨人戦でも2点を失った。これで自己ワーストタイとなる4敗目を喫した。藤川の代役と期待された8月だが、調子は下がる一方だ。事態を重く見た首脳陣は試合後のコーチ会議で2軍降格を決定。これまで故障による登録抹消は経験していたが、不振を理由としたものは来日以来初めて。久保田も安定感を欠く内容が続き、勝ちパターンの継投では任せにくい状態。05年の結成から鉄壁を誇ってきた「JFK」が完全に解体されることになった。

 今後を見据えると、「J」の炎上は大きな不安要素だ。岡田監督は沈痛な表情だった。「これから巨人に1番投げなアカン投手やから。1番抑えてほしいんやけど…」。クライマックスシリーズをにらんだ発言だ。3位を争う中日、広島は右打者が多い。それに比べ、最大のライバル・巨人は左打者がそろっている。終盤の勝負どころでウィリアムスが計算できないのは、あまりにも痛い。次回の巨人戦は19日から東京ドームで3連戦。2軍で再調整すれば、ここには十分に間に合うが…。

 ウィリアムスの離脱により、新たな「方程式探し」という難問に取り組むことになる。マジック「25」で足踏み状態で、当然リーグ戦も勝ち抜かなければならない。守護神・藤川までいかにバトンをつなげるか。現状では、無失点記録を続けるアッチソンが重要な役割を担う。これに渡辺を加え、左腕では江草、昇格したばかりの能見でやりくりしていくしかない。「先発はがんばれているけどな」と岡田監督の表情も苦しい。予想もしなかったブルペンの崩壊。快進撃の岡田阪神がゴール直前で正念場を迎えた。