<横浜1-3中日>◇1日◇横浜

 エースが復活した。2カ月ぶりに先発した中日川上が横浜打線を6回4安打無失点に抑えて9勝目を挙げ、チームの連勝を4に伸ばした。肌寒くなった10月の横浜で、川上はロッカー室から半袖姿で現れた。「全身のアイシングなのよ。冷やしてるの」とヒートアップした心身を風にさらして、歩いた。

 北京五輪前の7月25日阪神戦以来68日ぶりの先発復帰。初回無死一、二塁のピンチは、内川を投ゴロ併殺、村田を遊ゴロで切り抜けた。その後はコーナーをつく丁寧な投球を続けた。先発では7月4日巨人戦以来89日ぶりの白星。「五輪では中継ぎに定着したから、ようやく自分のポジションに戻ってきたかなと思う。10勝にあまりこだわりはない。しっかりとCSに向かいたいと思う」と話した。

 五輪後、背中の張りで2軍調整が続いた。約1カ月の調整をへて、9月24日ヤクルト戦の中継ぎ登板で8勝目。しかし「たまたまだから」とヒーローインタビューを辞退。先発マウンドがエースの居場所だった。

 落合監督は「やっとここまで投げられるようになった。(五輪で)ボロボロになって帰ってきたんだから」と話した。この日広島が敗れクライマックスシリーズ進出マジックは「3」。3日にも3位が決まる。【益田一弘】