中日落合博満監督(54)は27日、11月11日に横須賀で行われる12球団合同トライアウトを視察する意向を示した。プロ野球の監督が自ら視察するのは異例中の異例。今オフはFA補強を封印する方針で、外国人、新人に加え、見落とされがちな他球団の自由契約選手にも触手を伸ばす。

 落合監督はオフの補強でもオレ流を貫く。12球団トライアウトを視察する意向を示した。「オレが直接行く。今まではどんなもんか報告を聞くだけだったけど直接見る」。プロ野球の監督が自ら出向くのは、昨年楽天野村監督が視察した例はあるが極めて異例。落合監督にとっても04年の就任以来初めての試みだ。

 01年に導入された同システムは、各球団から補助的な補強手段ととらえられてきた。獲得対象が各球団の自由契約選手であることが理由。合格した選手は即戦力だが、主力として活躍できないケースも多かった。

 それでもあえて触手と伸ばす裏には、今オフは補償金や人的補償の発生するFA獲得を封印している事情がある。ウッズ、川上ら主力の退団が濃厚となる中、限られた条件でいかに効果的な補強をできるか。外国人、新人に加え、各球団の戦力外選手が浮かび上がってきた。

 落合監督には、ケースは違うが自由契約選手を再生させた実績もある。06年オフにオリックスを自由契約となった中村紀を、春季キャンプでの入団テストをへて入団させた。その中村紀は07年日本シリーズのMVPに輝き、今季も打率2割7分4厘、72打点、24本塁打。他球団からマークされ続けている。

 数々の常識を打ち破ってきたオレ流監督にとって、合同トライアウトでのスカウト活動は腕の見せ所。リーグ優勝、日本一奪回に向け、まだやれる選手に鋭い視線を注ぐ。