ソフトバンク秋山幸二新監督(46)が12月31日、監督初年度の座右の銘に「前進」を掲げた。王貞治会長(68)から受け継いだチームは昨季、12年ぶりの最下位に終わった。チーム再建に向け、秋山監督は選手、裏方のスペシャリスト化を計画。現役時代の経験を元に、まずはメンタルトレーナー、整体師を来季から採用。西武黄金期に匹敵する、常勝軍団をつくる。

 監督就任後、言葉を求められると、迷わずに2文字を色紙に記してきた。「前進」。秋山監督は言った。「立ち止まっていられない。前に進むしかないからね。おれもチームも選手もそう」。9月23日の王監督(現会長)の辞任後、球団内で数人の候補から協議を重ねた結果、秋山監督に白羽の矢が立った。チームは12年ぶりの最下位、偉大な「世界の王」の後任。決して恵まれた環境での監督就任ではない。

 秋山監督

 プレッシャーなんて感じている暇はないと思う。そう思わないようにもしてるし。選手が伸びてくれれば、と思い切ってやるだけだ。成長しなきゃならない選手が多いし、だから前に進まなきゃいけない。

 ソフトバンクが好き、という一心で、監督を引き受けた。だからこそ、このチームで勝ちたい。理想のチーム像はやはり、黄金時代の西武がある。「みんなが野球を知っている。ベンチの中、全員が1つになってね。野手も投手も試合の中で自分の立場、仕事が分かっている。その日の状態、場面を理解してね。打席では1人。そこでベンチは何もしてくれないんだから」。西武では主力選手として、8度のリーグ優勝、うち6回の日本一に貢献した。「うちはまだそこまできないけど、若い選手が多いから、レベルアップできる。すべてにおいてね」。各選手が勝利に徹する、野球のスペシャリスト。その集団を率いることが理想であり、そのために秋から徹底的に若手を鍛えてきた。

 現役時代の経験を踏まえ、チームにメンタルトレーナー、整体師の採用を球団に要請し、実現した。「コーチにも打撃、投手コーチがいるように、専門的にやらないとね」。現在の気分転換はゴルフだが、書道の練習にも色気を見せる。「いい、と思ったらどんどんやってみたらいいんだよ。やらないと分からないし、始まらない」。道は険しく、遠いが、秋山監督は前に進む。【中村泰三】

 [2009年1月1日11時31分

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