阪神新井貴浩内野手(32)が、異例の逆シングル限定の特守を敢行した。雨で紅白戦が延期となった高知・安芸キャンプの25日、屋内練習場で練習を行った。全体メニュー終了後に50分間、すべてが三塁線への打球を想定した逆シングル方向へのノックを受けた。上体が突っ込む悪癖を修正するために正確な捕球姿勢を反復。一塁から三塁への再転向に備えた。三塁手の逆シングルといえば最も絵になるシーンの1つ。新井がリニューアル甲子園の三塁線を死守し、花形選手へ変身する。延期された紅白戦は26日に行われる。
奇妙な光景だった。新井は逆シングルでボールを受けて、そのままグラブトスを繰り返した。三塁手が左翼線の打球を捕っても、グラブトスする相手はいない。試合でありえない動きを5分間も反復した。さらにフリー打撃後は50分間もの長時間にわたって、逆シングル限定のノックを受けた。
「三塁線(の打球)に対しての練習です。僕は足がそろう癖がありますから。練習するしかないです」。
志願の限定特守だ。新井は逆シングルで捕球する際に腰が高く、早いタイミングでグラブを出す癖があった。久慈コーチは「新井は逆シングルの形がイマイチ。自分からちょっとやりたいといってきた」。岡野手チーフコーチ、山脇、久慈の両守備走塁コーチが3人がかりで徹底指導した。
(1)腰を落としてすくい上げる。新井は上体からボールに飛び込む癖があるためひざを使って下から上にグラブを出すことを求められた。グラブトス練習もその一環。岡コーチは「腰高を直して、動きに幅を作ることが必要。三塁線を抜かれたら必ず二塁打になる」。
(2)グラブの出し方。新井は上腕を地面と水平にグラブを出すが、それを垂直にするよう指導された。久慈コーチは「グラブを横に出すと、速い打球に負けてしまう(はじかれる)」。
(3)送球に備えたステップ。上体から突っ込み両足がそろうために送球までのステップが多くなる。捕球後はすぐに右足で踏ん張り素早く送球するように忠告された。新井は「サードは捕って、投げるという二つの動作がある。うまく足を使って二つの動きが連動するようにと言われました」。
特守で足を滑らせて2度転んだ。左ひざを気にするそぶりを見せた。真弓監督から「無理せんでいいぞ?」と心配されたが続行した。「徹底してやるということです。コーチの方にいろいろ教えてもらっていい練習ができた」。新井が美しい捕球姿勢を身につければ、左翼線への二塁打も自然に減る。何よりも三塁を格好良く守れるのはスター選手の必須条件でもある。リニューアル甲子園のホットコーナーで「背番号25」が絵になる男に変身する。【益田一弘】
[2009年2月26日10時38分
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