<巨人4-1広島>◇2日◇東京ドーム

 粋なコメントだった。巨人坂本勇人(20)は「オビちゃんがバントを決めてくれた。その前(4回)も決めてくれたのに打てなかったから打ちたかった」。2点リードの6回、オビスポが犠打でつくった2死二塁で広島ルイスの直球をとらえた。真ん中寄りに入った148キロを逃さず、右中間二塁打で4点目。球界屈指の好投手をKOした。先発は来日初勝利へ腕を振るオビスポ。寮で共に暮らす仲間を助け、充実感に浸った。

 勝ち越しの口火も切った。1-1の3回、先頭で左翼線二塁打。続く松本の左前打で三塁へ進むと、ラミレスの中前打でホームを踏んだ。首位打者を走るが、実はルイスには今季ここまで6打数無安打に抑えられていた。マルチ安打を決め「ルイス投手から2安打できたことも大きいですね」と素直に喜んだ。

 この日で早くも96安打を重ね、シーズン203安打ペースだ。200安打すれば右の日本人打者としては史上初。高卒3年目での達成はイチロー以来2人目となる。5月上旬に1番打者の指名を受けたとき「1番打者として思い付く人は?」と聞かれ即答した。「イチローさんです。子どものころ生では見てないけど、すごく活躍していましたよね」。野球少年だったころ、記憶に刻んだ大打者に続く快挙へ向かっている。

 原監督も「勇人の1点が大きかった」と6回の適時打をたたえた。3日からは中日3連戦。リードオフマン坂本が引っ張る強力打線が粉砕する。【古川真弥】

 [2009年7月3日8時22分

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