<四国・九州アイランドリーグ:高知4-4愛媛>◇23日◇高知市営

 独立リーグの四国・九州アイランドリーグ(IL)高知入りした伊良部秀輝投手(40)が白星復帰はならなかった。23日、高知市営で愛媛戦で、リーグ戦初先発。うだるような暑さの中、午前10時に“復帰戦”のマウンドに上がった。

 今季平均約400人から3倍近い1072人の観客が詰め掛けたが、NPB(日本プロ野球機構)からのスカウトはゼロ。1回、先頭にいきなり右前打を許したが、後続を断った。2点リードの3回、自らのけん制悪送球も絡んで4安打で追いつかれる。それでも「あういうのは展開の中でよくあること。そこで大量失点につなげないこと」と、冷静だった。

 最速は144キロ。全盛期の迫力こそないが、フォーク、カーブを使い分けた。2回以外は毎回走者を背負ったが、許した長打はなし。7回7安打、6四死球ながら3失点(自責2)。勝利投手の権利を得て降板したが8回に追いつかれて勝敗はつかなかった。阪神時代の04年6月12日の横浜戦(甲子園)以来、1898日ぶり。NPB2軍に近いと目される同リーグでの初先発に「アグレッシブなスイングをしてきますね。今日はストライクゾーンを探りながらだった。8割方良かった。緩急をうまく使い分けることができた」と、淡々と振り返った。

 ひざに負担のかからないようフォームを改造し、コントロール重視の投球へチェンジした。定岡智秋監督は「ストライクゾーンの違いもあるし、四球は修正できる。フォームはおとなしくなったけど、緩急の使い方はうまくなった」と満足そうだ。次回は29日の長崎戦(佐世保)で初勝利を目指す。

 [2009年8月24日8時27分

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