<横浜9-3阪神>◇18日◇横浜

 沈黙していた主軸のひと振りが、大量点の引き金となった。4試合ぶりに3番に戻ってきた横浜内川聖一内野手(27)が、4打数2安打1打点と存在感を示した。ここまで25打数3安打と精彩を欠いていたが、オープン戦初の複数安打。「3番が打てなかった。今までは僕が止めていましたから」。内川の復活で勢いがつき、一時は無得点試合が続いていた打線も16安打9点と大爆発。開幕で対戦する阪神投手陣を粉砕した。

 1点を追う初回1死三塁で、阪神久保の投じた143キロの直球を右翼線に運び同点の適時二塁打を放った。続く2回は117キロのカーブを迷いなく振り抜き左翼線へ。「見た物に対し体がうまく反応するようになった。芯で当たる感覚でボールが見えるようになってきた」。キャンプ中盤に右手を痛め、オープン戦も足の張りや自打球を当てて欠場。調整は順風満帆ではなかったが、開幕を1週間後に控え調子を上げてきた。

 頼もしい3番の復活に尾花監督も笑顔だった。内川だけではなく、この日は犠打や進塁打をきっちり決め、1点を取る野球も実践。「内川が打つとつなぎができてくる。シーズンも、こういうふうにつながればいい」。オープン戦もラストスパート。横浜の歯車が、かみ合ってきた。【鈴木良一】

 [2010年3月19日8時59分

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