<ヤクルト3-9阪神>◇28日◇神宮
ハイライトは花火大会に譲ったが、久保康友投手(29)がドキドキさせたのも忘れちゃいけない。6回2死まで、1人の走者も許さなかった。スライダーが切れた。直球の球威も十分。球団史上初の完全試合達成の予感を漂わせた。「気にしないよ。9回2死まで行ったら、意識するけど…。運を使ったら、もったいない。そんな運も持ち合わせていないしね」。18人目の打者・上田に四球を与え、続く田中に中前を打たれた。快挙はならなかったが2戦連続完投。2時間28分の今季セ・リーグ最短で、チーム初の完投勝利となる3勝目を挙げた。
“マイナス思考”が好結果を呼んでいる。そんな運を持ち合わせていない、と冗談めかしたが、登板前もあえて悲観的に振る舞った。「調子がいいのは、そんなに続かないから」。05年に新人王を獲得しながらも、その後は成績が伸びなかった。トレードも経験。野球の怖さを知っているから、慎重な姿勢を崩さない。大人の男が首脳陣の信頼を勝ち取った。相次ぐ雨天中止でローテーションが様変わりする中で、久保だけが中6日の間隔を守って、マウンドに上がる。いまやエース級の待遇を得た。
8連戦の初戦を完投したのは今後につながる。「そこが1番大きい。それだけを考えて投げた。連戦の最初なので、1イニングでも長く投げようと思った。中継ぎを休ませたかった」。開幕から登板過多のブルペン陣に貴重な休養を与えた。先発の恩返しが久保から始まった。【田口真一郎】
[2010年4月29日11時16分
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