<ヤクルト4-2阪神>◇26日◇神宮

 闘魂注入を受けたアニキのバットは、不発に終わった。同点で迎えた7回。阪神金本知憲外野手(42)は1死満塁の絶好機で代打として登場した。「代打金本」の名がコールされると、左翼席に陣取る虎党のボルテージも最高潮に。アニキも大声援にフルスイングでこたえたが、最後はフルカウントから高めのボール球に手を出してしまい、空振り三振に倒れた。

 この日の5回終了後だった。金本は「予期せぬ人」からお祝いの言葉をちょうだいしていた。ヤクルト側のギネス記録に挑戦するイベントで、アントニオ猪木(67)が登場。トレードマークの赤いマフラーを首に巻き、ゆっくりとグラウンドに出てきた猪木はマイクも必要ない?

 ほどの大声で「元気ですかー」と一発。続けざまに「先日、阪神の金本選手もギネス記録に認定されました。おめでとうございます」と祝福された。

 その瞬間、ベンチに座って爆笑していた金本も腰を上げ、猪木に一礼。今月2日に認定されたばかりの「1492試合連続フルイニング出場」というギネス記録に対して思いも寄らぬ“祝辞”を受け、気分もよくしていたに違いない。何とかバットで猪木氏の心遣いに応えたかったが、チームを勝利に導く働きができず、悔しそうな表情を浮かべていた。【石田泰隆】

 [2010年6月27日11時53分

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