<ヤクルト5-9阪神>◇17日◇神宮

 阪神新井貴浩内野手(33)が「特打」の成果をいきなり発揮した。3回。2点適時打を放ったマートンを一塁に置いた場面だった。初球。ヤクルト先発加藤の外角スライダーを引きつけ、強引に左翼席中段へと運び去った。「押せ押せムードだったので、初球から思い切り行くと決めてた。久しぶりにバットが振り抜けた」。6月29日の中日戦(甲子園)以来、14試合、61打席ぶりの11号2ランに、笑顔がはじけた。

 実はこの日の試合前練習中、新井はティー打撃でボールの底辺をこするように打ち、打球にバックスピンをかける練習を繰り返し行っていた。それは長距離打者が打球を上げたいときによくやる練習法の1つ。13試合も本塁打から遠ざかっていた男は、必死で本塁打の感触を取り戻そうとしていた。「状態は悪くなかったですからね。あの練習も打球に角度をつけようと思ってやった」。効果抜群の一発で、チームの勝利に貢献した。

 [2010年7月18日11時52分

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