<ヤクルト7-6横浜>◇25日◇神宮

 借金を完済した小川ヤクルトが、いよいよ貯金生活に突入した。前夜に続き、好調な打線が序盤で6点を奪った。終盤に追い上げられたものの、8回に福地寿樹外野手(34)が飛球を好捕するなど1点差で逃げ切った。3連勝で4月12日以来となる貯金1。先発の石川雅規投手(30)は7回途中4失点で10勝目を挙げた。

 ヤクルトが乱打戦を制し、135日ぶりに貯金生活に突入した。小川監督代行は「大きいですね。(負けて借金生活に戻るのとは)全然違いますよ」と安堵(あんど)の表情だ。

 大量リードで快勝する最近の試合とは違い、危ない内容だった。8回にリリーフ松岡が2ランを浴びて1点差。嫌な雰囲気が漂い始めた後、スーパーサブが魅せた。スレッジの打球を左翼福地が激走し、体勢を崩しながらキャッチした。続く下園の打球は捕球できなかったが、フェンス際でダイビングキャッチを試みた。9回には藤田のファウルボールを追い、三塁側ブルペンにいた横浜山口に激突するハプニングもあった。

 24日の8回、同じ左翼で途中出場していた福地はハーパーの打球を追う際に足を滑らせて転倒し、二塁打にしてしまうミスをしていた。挽回(ばんかい)プレーに、小川代行は「ミスの後だけに姿勢に気持ちが出ている。ああいう気迫の表れは、見ている人にも伝わる」と感心した。

 小川代行は派手に活躍した選手だけでなく、地味なプレーで貢献した選手や、結果を出せなかった選手にも気を使う。福地についても日ごろから「なかなかスタメンで出られない中でよく頑張ってくれている」と感謝している。私生活では、毎年オフに家族と行くハワイ旅行のため、航空会社のマイレージポイントをためようと買い物にも気を使っている。そんな“気の利く”指揮官の下で一丸となったチームがコツコツ借金を返済し、ついに貯金をゲットした。

 ここまで来たら、クライマックスシリーズ進出へ突き進むのみだ。「目の前のプレーでベストを尽くすだけ」と、小川代行のマイペースな意気込みは変わらなかったが、チームは確実に奇跡へ近づいている。【由本裕貴】

 [2010年8月26日8時42分

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