<阪神2-2中日>◇9日◇甲子園
猛虎が誇る守護神藤川球児投手(30)がハラハラドキドキの総力ドローの大きな立役者となった。同じリリーフ陣の弟分としてかわいがる西村が外野守備にも長けていることを熟知しており、首脳陣に「推薦」。自らは10、11回と西村に守備機会を1度も与えない力投で、2試合連続2イニング登板をきっちりこなした。勝負どころでこのリーダーシップは頼もしい。
再びマウンド上で舞った。153キロの火の玉が、藤井のバットの上を通過した。暴れるボールがミットに収まった瞬間、藤川は勢いのまま飛びはねた。小躍りするように、グラブを右手で弾いた。
藤川
負けなくて良かった。明日から、また試合があるしね。
負けられないマウンドに、守護神が立った。2-2の10回。守るものは首位の座だった。0・5ゲーム差で迎えた中日3連戦。決戦を前に首脳陣に、思いを伝えていた。「3イニングぐらいは投げるつもりでいます」。覚悟はできていた。ただ、現実は守護神の想像を超えていた。
第1戦の7日に37球。中1日で、待っていたのは再びイニングまたぎのマウンド。35球を投げ込んだ。ただで、さえ神経をすり減らす戦場だが、いつにも増して気遣いも必要だった。小宮山とは公式戦で初めてバッテリー。緊張する女房を守護神がリードした。さらに、背中越しにも注意を払った。「飛ばさす気はなかった」。野手要員がいなくなり、自ら指名した西村が外野の守備についていた。ただ、藤川は外野に打球を飛ばすことさえ許さなかった。
総力戦を終えて、手応えも感じた。「福原さんが良かったのでね。信頼できるピッチャーが1人増えました。能見さんも戻ってきたし」。首位を走りながら、チーム防御率はリーグ4位。これまでは、打線に助けられてきた。シーズンも大詰めを迎え、しびれる展開が増えてくる。最後はピッチャーの力で-。守護神の頭の中にも“ゴール”が見えてくる。【鎌田真一郎】
[2010年9月10日10時54分
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