佑ちゃんを外したら優ちゃんだ。ヤクルトが1位指名する方針を固めている早大・斎藤佑樹投手(4年=早実)の外れ1位候補に、最速152キロ右腕の早大・福井優也投手(4年=済美)をリストアップしていることが14日、分かった。この日、プロ野球志望届提出期間が締め切られ、同日午後5時までに高校生95人、大学生93人が提出した。未提出者は28日のドラフト会議で指名を受けることができない。

 競合確実な斎藤の外れ1位候補として、同じ早大の福井がトップリストの1人に入った。最速152キロを誇り、今秋は2勝0敗、防御率1・50の成績を残す。ヤクルトスカウト陣は斎藤と並行して、福井の投球も随時チェックを続けてきた。球団関係者は「実績のある選手。評価はしています」と即戦力右腕として高評価している。

 斎藤に対してはロッテが1位指名を公言するなど、複数球団の競合は確実だ。小川監督がクジを引くことが決定しているが、ドラフトまで2週間を切り、抽選を外した場合のシミュレーションを進める時期に入った。今季4位に終わったチームは、投手陣の強化が急務。今ドラフトでは石川、館山、由規、村中に続く即戦力先発投手の獲得が、最重要課題になっている。

 04年センバツ優勝投手の福井は、05年ドラフトで巨人の4巡目指名を拒否し、1浪の末早大に進学した。今年は1年間斎藤と先発2本柱を形成し、課題だったコントロールが安定。スライダーを主体とした変化球の制球も上がった。13日にプロ志望届を提出。投球術にたけた斎藤と比較しても、粗削りな分だけ、伸びシロは大きいとの声もある。チームに不足する速球派として、活躍が期待できる。

 福井に対しては他球団の評価も上昇。斎藤、大石、沢村のビッグ3を回避し、単独指名に踏み切る球団が出る可能性はある。ヤクルトは東京ガス・榎田大樹投手(24=福岡大)、八戸大・塩見貴洋投手(4年=帝京五)ら複数の即戦力投手を外れ1位候補として、他球団の動向を見ながら最終決断を下すことになる。

 [2010年10月15日9時9分

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