ウエルカム、巨投!

 中日のCSファイナルステージの相手が巨人に決定した。中日の主砲、和田一浩外野手(38)は17日、巨人のファーストステージ突破を見届けても泰然自若。2連勝で阪神を撃破した勢いも「気にならない」と断言した。第1戦の先発が予想される巨人内海を打率4割6分7厘と打ちまくる。今季の巨人戦打率はセ5球団で最高の3割9分5厘。特にナゴヤドームでは驚異の打率5割(42打数21安打)。20日から本拠で迎え撃つ「カモ」の登場は大歓迎だ。

 これが王者の余裕だろうか。落合監督は試合終了を見届けることなく、9回には帰りの車に乗り込んだ。ナゴヤドームでの練習を終えて帰路につく選手のほとんどが、巨人のファーストステージ突破に関心を示さなかった。

 練習後の治療中に巨人の勝利を知った和田は笑顔だった。「巨人?

 そこに関しては特に感想はないです。本当にそんなもん。あんまり考えてなかった。巨人の勢い?

 気にならないですね」。どこが相手でも関係ない。主砲の余裕の表情がナインの気持ちを代弁していた。

 準備は整った。この日は約2時間に及ぶシート打撃を実施。清水、河原ら中継ぎ陣が登板し、主力野手が打席に立った。主砲和田は1打席目で右中間を破ると鋭い打球を放つと、二塁まで激走。続くブランコの中飛で三塁まで到達し、堂上直の右犠飛で生還。シーズン中に痛めた左足の影響はまったく見せなかった。

 シーズンの手応えが残っている。今季中日は巨人に対して15勝9敗。ナゴヤドームでは10勝2敗、9連勝中と圧倒的な強さを誇っている。和田の今季の巨人戦打率はセ5球団で最高の3割9分5厘。特にナゴヤドームでは驚異の打率5割。ファイナルステージ第1戦の先発が予想される左腕内海に対しても今季15打数7安打、3本塁打。打率4割6分7厘だ。この日、2試合連続セーブを挙げた守護神山口も打率4割と苦手意識はない。

 最終戦を終えた10月2日から、20日開幕のCSファイナルステージまで中17日。実戦から遠ざかる厳しい日程だったが、主力全員を教育リーグ「みやざきフェニックス・リーグ」に派遣した。“試合勘”を養ってきた。この日のシート打撃で左翼越え二塁打など2打点を挙げた堂上直は「(巨人)内海さんは(プロ)初ヒットを打った相手ですからね」と、こちらも対戦が待ち遠しい様子。あとはナゴヤドームで巨人を待つだけだ。【桝井聡】

 [2010年10月18日10時49分

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