<セCSファイナルステージ:中日2-0巨人>◇第2戦◇21日◇ナゴヤドーム

 落合中日が早くも王手をかけた。エース吉見一起投手(26)が7回1/3を5安打無失点と好投。打っても2回に先制&決勝打となる適時打を放つ、ワンマンショー。昨年のCSで巨人に打ち込まれて降板。ドーピング騒動にも巻き込まれた昨年のリベンジを果たした。2試合連続完封と圧倒的な強さを見せつけ、アドバンテージの1勝を含めて3勝0敗。22日、一気に日本シリーズ進出を決める。

 中日吉見は、1年前の悔しい思いをぶつけた。2点リードの8回無死二塁。吉見は、昨年のCSで同点アーチを打たれた亀井をフォークで三振に仕留めると、初めてグラブをポーンとたたき、感情を爆発させた。1発を許せば同点の場面。今年は最後まで集中力を切らさなかった。「今日は気を抜いたら負けだと思い、魂を込めて必死に投げた。もういいぞと言われるまで投げるつもりだった。ストライクゾーンの低めで勝負するのが僕の仕事。ここぞという場面でしっかり投げ切れたのが良かった」と胸を張った。

 昨年のCS第2ステージでは、登板前日にドーピング疑惑が持ち上がった。登板翌日に、結果は「シロ」となった。しかし平常心でマウンドに上がれるはずがなかった。6回にラミレス、亀井に連続本塁打を浴びて同点に追いつかれ、無念の降板。マウンド上でしゃがみ込み「この悔しさは来年やり返すしかない」と、リベンジのチャンスを待ち続けていた。

 得点源を完全に封じ込めた。小笠原、ラミレス、阿部のクリーンアップを9打数無安打。6回2死では、昨年とまったく同じ2点リードの状況でラミレスを迎えたが、低めのフォークで遊ゴロに仕留め、成長した姿を見せつけた。

 打席でも気を吐いた。2回2死一、二塁で内海の内角直球を中前へ先制適時打。「内海さんとは今年4度目の対戦だったので、頭の中に少しは残像はあった。でも、99%奇跡です。打撃練習をしていてホント良かった」と、はにかんだ。今季は44打数1安打で打率2分3厘。バットでは期待されていなかったが、昨年8月14日のヤクルト戦以来の適時打で自らを助けた。

 昨年オフから「あの人は打つのがうまいんです」と、ひそかにヤクルト田中の打撃を研究し続けていた。今季打率3割を記録した三振の少ない好打者の映像を目に焼き付け、自らのフォームに重ねていた。そんな努力がようやくこの日の打席で実った。

 この日朝、朝食で出されたキンメダイの煮付けを7口食べて球場入り。「何となく7イニングくらいかなと思ったんです」と笑いを誘った。昨年、ヤクルトを飲み干して、ヤクルトとのCS第1ステージで白星を飾った。CSは通算4戦3勝。試合前の“儀式”を忘れず、レギュラーシーズン5勝1敗の巨人をねじ伏せた。日本シリーズ進出へ向けて一気に流れを引き寄せるだけでなく、エースとしての意地も見せつけた。【福岡吉央】

 [2010年10月22日8時52分

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