すまん、投げてくれ~!

 育成契約を交わし、打者転向が決まった3年目の中日赤坂和幸(21)がオフの間に打撃投手を務めてくれる投手を募集している。かつてのドラフト1巡目は21日、静まりかえったナゴヤ球場で約2時間、マシン打撃を実施。汗だくになりながら悲痛な表情で訴えた。

 「練習はやりたいんですけどね。なかなか投手の球を打つ機会がない…。年上のピッチャーの方には頼みにくいので、年下の選手にお願いしてみます。『5、6分の力で投げてくれないか』って」。

 高校時代は投手ながら高校通算58本のホームランを放ったスラッガー。もともと打撃の評価は高かった。「もう気持ちは切り替わってます」と打者で勝負する決意はできている。だが、プロ入り後の3年間はほとんどバットを握っていない。

 プライドもかなぐり捨てる。年明けの合同自主トレまでオフを返上。ナゴヤ球場でバットを振り続ける予定だ。後輩に頼むとなれば、声をかけるのは1年目の岡田、小川、2年目伊藤らドラフト上位で入団した後輩たち。本来なら屈辱的な話だが、そうも言ってられない。栄光のドラフト1巡目戦士がなりふり構わず頭を下げるつもりだ。【桝井聡】

 [2010年11月22日11時11分

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