中日チェン・ウェイン投手(25)が来季残留の意思をあらためて示した。24日、中部国際空港から台湾に戻った。「今年は調子が悪い時もあったし、まだ自分には足りないものがある。優勝はできたけど、日本一になれなかった悔しさもあるので、来年は何とか日本一になれるよう、チームに貢献したい」と語った。

 チェンは来季の契約について現在、球団と交渉中だ。代理人が米大リーグ挑戦を視野に自由契約を認めるように要求したが、あくまで来季以降のより良い契約条件を引き出すための手段と見られる。チェンは「交渉は代理人に任せている。どっちでプレーするのか、話せない部分もある」とも語ったが自身の胸の内は、やはり残留。公の場では初めての「宣言」となった。

 井手峻取締役編成担当は「チェンは大事な戦力。1年でも長くプレーしてほしい」と話しており、球団側は複数年契約の提示も含めて検討中。来季もチェンを戦力として保留選手名簿に名前を記載する予定だ。今後は、シーズン終了と同時に自由契約となる付帯条項を契約に加え、事実上FAの立場でメジャー移籍を認めるのか、あくまでポスティングでの移籍に限定するのかが、交渉の焦点となりそうだ。

 チェンは今後、台北を拠点にし、メジャーでプレーする王建民(ナショナルズ)や郭泓志(ドジャース)らとともに自主トレを行う予定。殺到している地元でのイベント出演オファーを極力断り、来季に向けた体作りに全力を注いでいく。

 [2010年11月25日11時8分

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