沢村賞右腕マエケンがリハーサル完了!

 広島前田健太投手(22)がいよいよ実戦に入る。20日、日南・天福球場のブルペンで今キャンプ最多の88球と投げ込んだ。全球種を投じ、セットポジションも試みるなど、登板に向けて入念に準備した。今季初実戦は明日22日に行われる紅白戦の予定。いざ出陣じゃけえ!

 昨季の3冠王が、いよいよファイティングポーズをとる。天福球場に隣接するブルペン。前田健の背中は熱を帯びていた。小気味よく速球を投じたあとだ。カーブ、スライダー、チェンジアップ…。試合で用いる全球種を投じ、セットポジションで機敏に動いた。

 前田健

 今日で最後の準備になります。セットでも投げておかないといけないし、球種もすべて、投げられる状態にしておきたかった。あとは、紅白戦などで準備していけたらいい。

 シーズンへの調整能力も一流の域だ。昨年11月中旬以降、表彰式ラッシュで練習できず、周囲は不安視したが本人は地に足をつけて調整していた。

 沖縄キャンプで3度ブルペンに入って肩慣らしすると、日南でペースアップ。17日にフリー打撃で50球を投げるなど、実戦感覚も磨いた。今後は打者と向き合い、細かい投球術を確認する。

 前田健

 打者が立つと力みも出て、おかしくなる。打者の反応も見たいですから。打撃練習だとストライクを投げて、コース分けもない。実戦になると違う。

 今年も「3冠王調整」で開幕に向かう。明日22日の紅白戦(天福)が今季初実戦の予定。最多勝など、投手の3タイトルを独占した昨年は2月23日の紅白戦がシーズン初登板だった。ほぼ同じスケジュールでマウンドに上がり、3・25開幕中日戦に照準を合わせる。

 大黒柱としての風格も漂ってきた。前日19日のオープン戦巨人戦(サンマリン宮崎)では弟分の今村が先発。前田健を手本にしたカーブも駆使して3回無失点に抑えた。

 前田健

 先発をやると緩い球が大事になるし、僕は大事にしている。僕も2年目の頃、オープン戦で結果を残さないといけないときがあった。3回ゼロで、いいんじゃないですか。

 今村の好投に笑顔も見せた。かつては自らも通った軌跡。後輩の力投もまた、パワーになっている。

 前田健

 まだまだいろんな調整段階。バランスが悪かったり、コースが甘く入ったりする。(調整は)順調です。特に変わりはない。いまのところ、問題はないですね。

 今年から用いられる統一球への違和感もないという。2011年の前田健から死角はまったく見当たらない。

 [2011年2月21日9時57分

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