<オープン戦:ソフトバンク3-4中日>◇1日◇福岡ヤフードーム

 出た!

 中日和田一浩外野手(38)が今季から挑戦している「3冠打法」で今季“1号”を放った。6回に特大の決勝3ラン。本人は“偶発的”だったとして納得しなかったが、試合前には落合博満監督(57)の助言で今後へのヒントを得た。主砲は着々と開幕への準備を進めている。

 久しぶりの感触だった。6回1死二、三塁。カウント3ボールから3球ファウルした後、ソフトバンクの左腕・陽耀勲の真ん中高めの直球を左中間スタンドへ。ぐんぐん加速していく和田ならではの弾道を描いて飛び込んだ。

 今季オープン戦初アーチとなった決勝3ランは「3冠打法」での記念すべき第1号。初回にも適時打を放った和田がチームの全4打点を稼いだ。

 「今日は特別ないですよ。これが開幕戦なら別だけど、まだまだやっている段階。きっかけも何もない。本当にたまたま打っただけ。打つべくして打ったわけじゃないから」。

 和田クラスの打者になれば、結果よりも内容を重視する。本人にとって、この日の1発は“必然”ではなかったため納得していない。わずか1発で完成するほど打撃はあまくないよ-。そう言いたげな笑顔だった。

 昨季までのオープンスタンスから完全スクエアに構え、そこからオープンへと踏み出す。「3冠打法」は、MVPを獲得した昨季からさらに無駄を省いた究極のスイング。スタンスを変えることであらゆる部分を変更しなければならない。沖縄での1カ月悩みながら模索していた。

 試合前、ティー打撃の途中で落合監督が歩み寄ってきた。「足の位置などを言ってもらいました。それときょうのホームランは関係ないですが、自分の中でこうかなというのはあった」。身ぶり手ぶりの指導を受けた後、和田は悩みが晴れたようにすっきりした表情だった。結果はともかく、新打法完成への道筋が見えてきたことは確かだ。

 「本人に聞きな。オレが打席に立っているわけじゃないんだから」。落合監督は和田とのやりとりを明かさなかったが、開幕までカウントダウンが進む中、和田の新打法も少しずつ完成へと向かっている。【鈴木忠平】