<オープン戦:広島11-1中日>◇3日◇福山

 このままじゃ左腕が足りない!?

 中日の先発ローテーション候補、川井雄太投手(30)と小笠原孝投手(34)が広島戦に登板し、そろって炎上した。先発川井が4回で6点を献上すれば、2番手小笠原も5失点。左腕のチェン、山本昌が出遅れるなかで、王国竜投に不安が迫ってきた。

 雪の舞い散る福山で2人の左腕がめった打ちにされた。2時間58分の試合時間。中日はほぼ一方的にパンチを浴び続けた。スコアボードに映し出された数字は1-11。広島戦の2ケタ失点はオープン戦、公式戦を含めても09年4月12日以来、約2年ぶり。気がかりなのは実績のある左腕2人の大炎上だ。

 先発川井が1回にいきなりつかまった。先頭梵の中前打と味方のエラーで無死一、二塁のピンチを招くと、1アウト後にトレーシーに中前適時打。広瀬にもきっちり中犠飛を決められた。制球が不安定で、3回にも2死満塁から岩本に走者一掃の適時二塁打を許して3失点。投げれば投げるほど泥沼にはまった。

 川井

 初回のリズムが悪かったし、自分の持ち味を出すことができなかった。ボールの球離れが早かった。次はこういうことにならないように修正したい。

 5回からマウンドに上がった2番手小笠原も悪い流れを引き継いでしまった。いきなり岩本から右翼越えの2ランをガツン。この回4安打4失点と試合をぶち壊してしまった。まだ開幕への調整段階とは言え、あまりにも“お寒い”内容。13年目のベテランが悔しさを表情に出した。

 小笠原

 甘い球が多かった。打たれているんで何も言えない。寒さとかは関係ない。結果を出したい。それだけです。

 先発左腕が不足しているチーム状況を考えると、もっとも期待されるのが川井と小笠原だ。川井は09年にシーズン初登板から11連勝を記録するなど脚光を浴びた。だが、昨季はわずか1勝。小笠原も昨季は開幕ローテーションを勝ち取ったが終わってみれば1勝。リベンジに燃える両左腕への期待が高まっているだけに落胆も大きかった。

 落合監督はこの日も笑顔で帰りのバスに乗り込んだ。前日2日には「開幕の準備だよ。まだ開幕してないんだ」と準備段階であることを強調していた。開幕まであと3週間。ドラファンの不安は解消されるだろうか。【桝井聡】