巨人原辰徳監督(52)が阿部の離脱を受け、自ら命名した「近未来打線」からの打線改造に着手した。巨人はここまで、将来を担う「1番長野、2番脇谷、3番坂本」のスピードあふれる若手トリオが目玉の「近未来打線」を準備してきた。だが、6番で相手の恐怖となっていた阿部が、前日に右ふくらはぎを負傷し離脱。阿部がいてこその打線かと聞かれた指揮官は「そうですね。近未来になってしまったけど、経験を3人にも大いに生かしてもらいたい」と、文字通り「近い未来」まで封印せざるを得ない現状を表現。ただ、声のトーンに陰はなかった。
昨季44本塁打で精神的支柱でもある主将不在は、開幕6日前にして外野手の顔ぶれまでも変えた。この日は、右翼の長野を中堅にし、打撃好調の高橋を右翼で起用。攻撃力カバーが狙いだ。「今いるベストのメンバーが中心。今日はそういう、用兵を使いました」と原監督。岡崎ヘッドコーチは「6番阿部を予定していたが、こうなったので、誰が6番を打てるかとなると長野だった」と、組み替えの必要性を明かした。
その新打線の要となる高橋が見事に機能した。4点ビハインドの8回裏にソロ本塁打。その1発で士気を高めた巨人は、9回に同点まで持ち込んだ。安打を放った田中や坂本、鈴木だけでなく、寺内と松本が進塁打でつなぐなど、最終回は全員攻撃が光った。そんな同点劇を、高橋は「結果的によかった。いるメンバーでできることをやっていくしかない」と振り返った。
12日のヤクルトとの開幕戦(宇部)まで、実戦は残り1試合。それでも原監督は「まだ12日までありますからね」と冷静に、前だけを見据えた。今の巨人に、後ろを振り返っている暇はない。【浜本卓也】



