<広島4-4巨人>◇15日◇マツダスタジアム
あ~あ、初勝利が…。巨人のドラフト1位沢村拓一投手(23)が、広島戦でプロ初先発し、7回途中まで6安打2失点(自責は0)と好投した。この日の最速は150キロで、157キロ右腕としては調子の悪い方だったが、粘りの投球でリードを保って降板した。しかし救援陣がリードを守りきれず、試合は引き分け。プロ初勝利は逃したものの、今後の活躍を予感させるには十分な初登板だった。
初登板と思えないほどの落ち着きを放っていた。沢村がプロの晴れ舞台に立った。最速157キロ右腕もこの日は150キロ止まり。2回と6回以外は毎回走者を背負った。それでも6回まで0行進。堂々たる内容だったが、「(2連勝で)いい流れの中で投げさせていただいたので、勝たなくてはいけなかったけど、勝てなかったのは先発である僕の力不足だと思います」と、表情を変えることなく話した。
前日14日、「内容よりも勝つことだけを考えて臨みたい」と話した通り、広島にリードは許さなかった。「走者を出しても点をとられなければいい」と、繰り返し話している沢村。ピンチを背負っても常に冷静でいられた。同年代の坂本のファインプレーなど、野手の好守に時折笑顔を見せながら声をかける場面もあった。「お客さんがたくさん入れば、アドレナリンも出るので」と、もともと大舞台を楽しむタイプ。「巨人の沢村」として、初めての公式戦は楽しみ以外の何ものでもなかった。
調子が悪くてもコントロールで勝負した。常にセットポジションでの投球は中大時代に巨人OBでもある高橋善正監督(66)から教えられたもの。「ピッチャーはランナーを背負うケースの方が多いので。走者を出してから粘ることが投手の仕事」。制球力を重視した投球方法だった。この日、6安打を浴びたものの、四球は0。大量点を防ぐことにつながった。
降板後は、ベンチから声を張り上げながら必死に応援。だが4番手のロメロが1失点で、初勝利は消えてしまった。それでも9回に脇谷にタイムリーが飛び出すと、「やった~」と少年のように喜んだ。チームが勝てば自分の勝利はどうでもいいと言わんばかり。「その時その時にバッターを見て感じるものがありました。課題も見えたので次に生かしたい」と、早くも前を向いた。原監督も「勝ちこそつかなかったものの、いいデビューだった」と目を細めた。次回は中5日で21日の阪神3回戦(甲子園)が予想される。伝統の一戦でプロ初勝利を必ずや勝ちとる。【斎藤庸裕】



